投稿

11月, 2022の投稿を表示しています

歌枕を訪ねて(4)第六十四番歌「宇治」 第八番歌「喜撰山」

イメージ
  権中納言定頼の「宇治」と喜撰法師の「喜撰山」を訪ねました。 宇治川は源義経軍と源義仲軍の「宇治川の戦い」で佐々木高綱と梶原景季が先陣争いをし、承久の乱では幕府軍と朝廷軍の戦いの場となった所です。 宇治市史によると「うじ」とは「うち」を意味するとあり、周りが山に囲まれ、西は巨椋池に塞がれていて、これらの「内」にあることから「うじ」と呼ぶようになったとあります。 世間から離れて山でひっそりと暮らした喜撰法師の名は宇治茶の銘柄にもなっており、「上喜撰」というのもあるようで、幕末の狂歌にその「上喜撰」と黒船の「蒸気船」をかけて  [ 泰平の眠りを覚ます 上喜撰 たった四杯で 夜も寝られず] と詠われています。

歌枕を訪ねて(3)第四十六番歌「由良の戸」

イメージ
小倉百人一首 の歌枕・曾禰好忠の「由良の戸」を訪ねました。 京都府北部、宮津市の由良川河口です。 「由良の戸」の場所には二つの説があり、ひとつはこの宮津市の由良川河口で、曾禰好忠が丹後掾(たんごのじょう)という地方官吏であったことから、こちらが定説のようです。 もうひとつは和歌山県日高郡にある由良の御崎で、新古今集の時代で有名な歌枕です。