(10) これや此の 行くも帰るも 別れては
知るも知らぬも 逢坂の関
知るも知らぬも 逢坂の関
(蝉丸)
(歌意)これがあの、行く人も帰る人も、
互いに知る人も知らない人も、
ここで別れては、また逢うという
逢坂の関なのだなあ。
The stranger who has traveled far,
The friend with welcome smile,
All sorts of men who come and go
Meet at this mountain stile,—
They meet and rest awhile.
SEMI MARU
作者の蝉丸は謎の多い人物で、宮中の雑色(使い走り)として仕えていたとか、醍醐天皇の皇子説とか、単なる乞食説まであるように、実は僧侶かどうかも定かではないようです。琵琶の名手である蝉丸は、盲目でありながら行き交う人々を観察し、時の移ろいや変わりゆく世の無常を感じ取っていたのだろう。 |
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