(12) 天つ風 雲のかよひぢ 吹きとぢよ
をとめの姿 しばし留めむ
をとめの姿 しばし留めむ
(僧正遍照)
(歌意) 空の風よ、天女の通る雲の中の道を
吹き閉ざしておくれ。
天女たちの舞う姿をもうしばらく
ここに留めておきたいから。
Oh stormy winds,bring up the clouds,
And paint the heavens grey;
Lest these fair maids of form divine
Should angel wings display,
And fly far far away.
BISHOP HENJYO
天女の舞に見立てた舞姫を、もう少し見ていたいから帰り道を塞いでおくれと願う歌です。作者の僧正遍昭は、この歌を詠んだ時はまだ出家しておらず俗名は良岑宗貞。若い娘の舞に見とれて不純な気持ちで詠むような僧侶ではなかったようです。
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