(55) 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど
名こそ流れて なほ聞こえけれ
(大納言公任)
名こそ流れて なほ聞こえけれ
(大納言公任)
(歌意)大覚寺に伝わる滝の音は、
水が涸れて聞けなくなってから
久しくなったけれども、
その名声だけは世に流れ伝わって
今も聞こえているのだなあ。
This waterfall’s melodious voice
Was famed both far and near;
Although it long has ceased to flow,
Yet still with memory’s ear
Its gentle splash I hear.
THE FIRST ADVISER
OF STATE KINTO
平安時代に最も権力を持った藤原道長と同い年のこの歌の作者・藤原公任は、道長に政治ではかなわなかったため、芸術方面で対抗心を燃やしていたそうです。この歌は、道長のお供として大覚寺を訪れたとき、庭にある枯れた滝を見て詠んだ一首だそうです。公任たちが訪れたときは、滝殿に水が溢れていたかつての滝の流れや音を思い描くことは出来たかも知れないが、現在の大覚寺に残っている滝跡では、まったく想像が出来ませんでした 。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
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