(31) 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに
吉野の里に 降れる白雪
(坂上是則)
吉野の里に 降れる白雪
(坂上是則)
(歌意)ほのぼのと夜が明ける頃に、
明け方の月が照らしているのかと
見間違えるほどに、
見間違えるほどに、
吉野の里に降り積もった雪だなあ。
Surely the morning moon, I thought,
Has bathed the hill in light;
But, no; I see it is the snow
That, falling in the night,
Has made Yoshino white.
Has bathed the hill in light;
But, no; I see it is the snow
That, falling in the night,
Has made Yoshino white.
KORENORI SAKA-NO-UYE
作者の坂上是則は、平安時代の初め、征夷大将軍に任ぜられ蝦夷征伐でアテルイを降伏させた坂上田村麻呂のひ孫だそうです。降伏したアテルイは田村麻呂の知略を認め、田村麻呂もアテルイを総大将としての器に感服し、都へ連れて行き天皇の許しを乞うて蝦夷の地へ返すことを約束しました。ところが天皇は許さず首をはねて処刑してしまったという歴史があります。坂上是則は蹴鞠の名手でもあり、帝の前で蹴鞠を連続二百六回も蹴り、帝から絹を与えられたそうです。
朝、目覚めた時に窓の外がいつもより明るく、窓を開けると外は一面の銀世界だったという経験がありますが、有明の月もこれと同じような明るさが想像できそうです。
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